米大リーグのオープン戦、ドジャース対ダイヤモンドバックス戦が10日(日本時間11日)、アリゾナ州グレンデールで行われ、ドジャースの大谷翔平は「2番、DH」で出場し、3打数1安打1打点、1四球。これでオープン戦は通算15打数8安打7打点の打率5割3分3連と、好調を維持しています。
この試合、第1打席三振、第2打席四球、第3打席一ゴロで迎えた六回の第4打席。無死一塁から左腕ネルソンの初球の肩口からのスライダーを右翼線に運び、適時二塁打となりました。
こうした好調の陰に、ロバート・バンスコヨック打撃コーチとの「二人三脚」があります。同コーチは、メジャーもマイナーも経験がない異色のコーチで、ゴロよりも角度を付けた飛球を狙う「フライボール革命」の第一人者と言われています。
「フライボール革命」は、「ゴロよりフライボールの方が安打の確立が上がる」との打撃理論で、7、8年ほど前から大リーグを中心に浸透してきました。打球速度158㌔以上で26~30度の角度で打ち出せば打率5割以上が期待できると言われます。この打球速度と角度の組み合わせは長打が出やすい「バレルゾーン」と呼ばれ、打球速度が上がるほど打球角度は広がります。同ゾーン内の打球が打者の理想とされます。打球速度の速い大谷は「バレルゾーン」が広がります。
同コーチは大谷を「データを好む男。試合ごとにデータを集め、常に準備万端」と評しています。また、大谷は屋外より屋内練習場での打撃練習が多いが、練習法は①置いた球を打つ「置きティー打撃②前方から投げてもらうティー打撃③投手の映像が流れる投球を再現する打撃マシン―ーの3つを行っています。
「フライボール革命」の第一人者との出会いで、大谷の打撃は一段と飛躍する可能性が期待されます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。