広島―中日のオープン戦が9日、マツダスタジアムで行われ、中日の先発・根尾昴投手(23)が5回1/3を投げ、初回に失策絡みで2点失ったものの、1安打、自責点0の好投を披露。先発ローテーション入りに猛アピールしました。

 成長の跡が見えたのは、三回。一死から失策で走者を二塁に背負った場面。4番シャイナーを空振りの三振、続くレイノルズを三塁ライナーで切り抜けました。立ち上がりの失点を「序盤、投げ急いだところがあったので、打者を見て配給を変えたりしました。三回は慎重に攻めたのが良かった」と、反省を生かすことができました。

 結局、二回以降はカーブとフォークボール、カットボール、スライダーと変化球を効果的に使い、的を絞らせずに、無安打に抑えました。

 大阪桐蔭高校の投手、主軸打者として3年時に春夏甲子園連覇を果たした根尾。中日入団後の当初は打者専念の意向だったが、結果を出せずに、一昨年、投手転向を目指しました。昨年は2試合の登板に終わったが、12回2/3を投げて防御率0・71の成績を残しました。このため、今季は投手としては初となる一軍キャンプを迎えました。

 キャンプで根尾を注視していたのが、高校の先輩で、巨人から移籍してきた中田翔。ブルペンで根尾が投げ始めると打席に入ってアドバイスを送る光景が見られました。

 立浪和義監督は「変化球の制度は昨年より確実に上がっている。直球がもう少し低めに集まり出せば、非常に面白い存在。先発ローテーションの可能性は十分ある」と期待しています。

 18日からは選抜高校野球が始まるが、根尾が甲子園で見せた躍動感を、再びプロのマウンドでも再現できるか、今季の投球を注目していきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。