第96回選抜高校野球大会(18日から13日間、甲子園球場)の組み合わせが8日、決まりました。能登半島地震で石川県輪島市の校舎やグラウンドが被害を受けた日本航空石川は、出場32校を4つのブロックに分けた中で、優勝経験のある5校、準優勝経験の2校がひしめく最激戦区に入りました。

 地震の後、山梨県にある系列校に避難して、空き教室で寝泊まりし、同県内のグラウンドを借りて練習している同校野球部員。この日の抽選会でも組み合わせが注目されたが、入ったブロックは強豪ひしめく最激戦区となりました。

 出場校の中で最も遅い第6日の第1試合で対戦する初戦の相手は優勝経験のある常総学院(茨城)。このブロックには、他にも大阪桐蔭(大阪)、愛工大名電(愛知)、報徳学園(兵庫)、作新学院(栃木)が優勝校で、北海(北海道)と神村学園(鹿児島)は準優勝校。8校中7校が優勝、準優勝という「死のブロック」となりました。

 初戦の組み合わせも、昨春ベスト4の神村学園と昨秋の関東大会を制した作新学院が激突。昨秋の近畿大会3連覇を達成した大阪桐蔭は北海と対戦。チーム打率3割9分を超える愛工大名電は昨春の準優勝校・報徳学園と当たるなど、一回戦から目を離せない好カード続出となりました。

 日本航空石川の宝田主将は「相手がどこだろうと、自分たちの力を発揮すれば勝てる。石川を勇気づけたい」と意気込みを見せました。中村監督は「いつも通りの野球をやることが勝利へのプラン。でも正直、もう大変ですね」と語りました。

 同じく石川県勢の星稜は、昨秋の明治神宮大会を制して優勝候補としても注目されます。星稜は初日の第2試合で21世紀枠の田辺(和歌山)と対戦します。

 石川勢2校の活躍が、被災地を勇気づけることは間違いありません。2校の選手のプレーにエールを送りたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。