野球日本代表「侍ジャパン」は7日、欧州代表との強化試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2024」第2戦を京セラドーム大阪で行い、6投手の継投による完全試合を達成しました。2014年の日米野球第3戦で4投手の継投で無安打無得点試合を達成して以来の快挙です。

 先発の金丸夢斗(関大)が2回を4奪三振の快投で発進すると、2番手の中村優斗(愛工大)も自己最速の157㌔をマークするなど快速球を武器に三者凡退に仕留め、大学生2人で3回を完璧に封じました。

 四回以降も松山晋也(中日)、渡辺翔太(楽天)、隅田知一郎(西武)と1人も走者を出さない投球を披露。守備でも七回に西川史礁(青学大)がダイビングキャッチするなど、盛り立てました。そして八回からリリーフした種市篤暉(ロッテ)が九回も3人で抑え、6投手によるパーフェクトゲームを完遂しました。

 井端弘和監督が讃えたのは、先陣を切った金丸でした。ゆっくりと両腕を高く掲げ、左腕から159㌔台の速球でカウントを稼ぎ、鋭く落ちる変化球を決めました。初回先頭から2者連続で空振り三振を奪うと、二回にも2奪三振。24球で2回を抑え、「雰囲気を楽しむことを考えながらマウンドに挙がれた」と振り返りました。

 今回の「侍ジャパン」では、異例の大学生4人が選ばれました。2番手の中村も好投、守備で貢献した西川は打撃でも2戦連続安打を放ち、強化試合前の練習試合で右肩を骨折した宗山塁(明大)もチームに同行し、遊撃の名手・源田壮亮(西武)の守備練習を間近で見学するなど、4人が濃密な時間を過ごしました。

 プロの選手たちも、大学生から刺激を受ける2試合になったことは間違いないでしょう。井端監督は「プロ入り前でもこれだけの選手がいるのだと思ったし、どんどん若い選手が出て底上げにつながった」。

 プロとアマの垣根を越え、昨秋のWBC「侍ジャパン」世界一に続き、日本球界に画期的な好影響をもたらしました。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。