ヤクルトの村上宗隆内野手(24)は3日、バンテリンドームで行われた中日とのオープン戦で先制2ランを放ち、2年ぶりの三冠王へ幸先のいい1号となりました。

 一回二死一塁、カウント0-1から左腕小笠原が投げた内角低めの144㌔の直球を芯で捉えると、打球は右中間席へいい角度で運び、オープン戦初アーチとなりました。オープン戦6打席目の一発は、2019年の11打席目を抜いて自身最速で、通算10本目となりました。

 22年は「打率3割1分8厘、56本塁打、134打点」で史上最年少の三冠王に輝いたが、昨季は2年連続三冠王の目標を掲げながら「打率2割5分6厘、31本塁打、84打点」でまさかの無冠。チームも2年連続優勝から5位に転落しました。それだけに今季にかける思いは強いようです。

 しかも、「三冠王」だけでなく、自身初の「トリプルスリー」も目標に掲げました。3割、30本塁打は十分達成可能な数字だが、30盗塁はかなり厳しい数字です。過去最多の盗塁数は「12」で、あと18の上積みが必要だが、本人は「高い目標を掲げることは必要だと思います。例えトリプルスリーとはいかなくても、20個は走りたいですね」。

 「トリプルスリー」のハードルはかなり高いと思うが、それを意識することは、相乗効果で三冠王へもつながる気がします。

 村上は試合が終わるとチームを離れ、6日、7日に欧州代表選を控える「侍ジャパン」へと向かいました。「ヤクルトの4番」から「日本の4番」に向かうわけだが、「真の4番」になるには、2度目の三冠王は成し遂げたい目標となることでしょう。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。