昨季の日本一・阪神に新たな戦力として左腕の門別啓人投手(19)が名乗り出ました。2日、札幌ドームで行われた日本ハムとのオープン戦に先発し、4回を2安打1失点、4奪三振と好投、先発ローテーション争いに加わってきました。

 昨季、阪神が18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を達成した理由の一つに、前年まで通算0勝1敗の村上頌樹(25)が10勝6敗、ソフトバンク時代の2022年は0勝2敗だった大竹耕太郎(28)が移籍してきて12勝2敗だったことが挙げられます。その意味で、前年まで2試合の登板で0勝0敗の門別が2桁勝利を挙げることになれば、ぐっと連覇を引き寄せることになるでしょう。

 東海大札幌高校出身の2年目・門別は、小学6年時の日本ハムファイターズジュニア以来となる札幌ドームのマウンドで、躍動しました。

 一回、先頭の細川と3番阪口から三振を奪うなど三者凡退という上々のスタート。二回に二死二塁から田宮に左前先制適時打を許したが、四回の無死二塁のピンチに阪口を三振、四球を挟んで浅間、江越をともに左飛に打ち取りました。門別は「どんどんアピールを続けていきたい」と意気込みを見せていました。

 右打者の内角をえぐるという投球でフライアウトを5つ取る強気の投球が持ち味で、岡田監督は「今年1年は先発として戦力になる」と、6人の先発ローテーションに入る可能性があることを示唆していました。

 この日は、両親や高校時代の恩師も来場するなど、ビジターながら大声援を受けながらの投球。父親の竜也さん(40)は「お酒を飲まないと見ていられなかった」、母親の実保さん(42)は「手の震えが止まらなかった」と見守っていたが、好投にほっとした様子でした。

 1950年の2リーグ制以降、連覇したことがない阪神。前年の優勝時より大幅な戦力アップがなければ、連覇は困難となります。その意味で、門別の投球が注目されます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。