ドジャースに移籍した山本由伸投手は28日(日本時間29日)、アリゾナ州サプライズ・スタジアムで行われたレンジャーズとのオープン戦に先発、2回を1安打、3三振、無失点の最高の大リーグデビューを果たしました。

 昨季のワールドシリーズ王者が、山本のオープン戦初登板の対戦相手となりました。1番は2021年に45本塁打をマークしたセミエン。メジャーを代表する強打者との対戦は、内角高めの96㍄(155㌔)の速球で空振りの三振に仕留めました。続くカーターには直球を中前打されたが、3番ラングフォードを内角直球で三ゴロ併殺打に打ち取り、初回を終えました。

 二回は先頭のロウをスプリット変化球で空振りの三振を奪うと、次のハイムを直球で左飛、3人目のタベラスはスプリットで空振りの三振と、三者凡退に仕留め、2回を投球数19で無失点というテンポの良い投球で終わる上々の形で投げ終えました。全19球のうち、ストライク16球、ボール3球。1安打こそ許したが、前評判通りの安定感を披露しました。

 しかし、アウトカウントを勘違いしたのか、ベンチに戻るタイミングが遅れた山本に対し、ベンチスタートだった大谷翔平選手は「戻ってきて!」とジェスチャー。山本は戻ってきて大谷とハイタッチして苦笑いしていました。

 大谷はこの日、ドジャースのキャンプ地・グレンデールで短距離、ダッシュなどスプリントメニューで汗を流しました。約40分間の練習を終えると、車で30分ほどの距離のレンジャーズのキャンプ地サプライズに直行。初登板の山本のブルペン投球を視察し、ハイタッチでオープン戦のマウンドに送り出しました。大谷はこの日の出場はなく、次の出場は1日(同2日)のガーディアンズ戦の予定です。

 前日の大谷の本塁打、この日の山本の完ぺきな投球と、ドジャーズに移籍した2人の日本人選手の上々のデビューに、チームもファンも歓喜の2日間でした。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。