野球日本代表「侍ジャパン」は、3月の強化試合(6、7日・京セラドーム大阪)で欧州代表と対戦するが、そのエースとして期待されるのがオリックスの山下舜平大(21)。ドジャースに移籍した山本由伸(25)の後継者として、今季最も注目されるプロ野球の投手です。

 高卒(福岡大大濠)4年目で「侍ジャパン」に初選出された山下。幼い頃からの憧れだったダルビッシュ有(パドレス)と同じ背番号「11」を背負うことになり、「光栄な番号。ユニホームを着るのが楽しみ」と意欲を見せました。

 昨季、プロ初登板で開幕投手を務めるという鮮烈なデビューを飾り、新人王に輝いた1㍍90の大型右腕。2年目以降の一軍未登板の投手が開幕投手を務めるのは、1950年の2リーグ制以降では初めてのことでした。エースの山本と宮城大弥がペナント開幕直前までWBCに出場したための開幕投手だったが、西武との開幕戦では勝敗は付かなかったものの、5回1/3を4安打1四球7奪三振1失点の好投を披露しました。

 前半戦終了時点で12試合に先発登板し、8勝2敗、防御率1・49をマーク、オールスターにも出場。後半戦もさらなる成長を期待され、8月26日のロッテ戦では自己最速の160㌔を計測したが、六回表の投球練習中に腰の張りを訴えて緊急降板。「第3腰椎分離症」と診断されて、その後の登板はできないという経験もしました。結局、昨季は9勝3敗、防御率1・61に終わりました。

 再起を期した今季のキャンプでは、25日のブルペンで早くも自己最速まであと5㌔に迫る155㌔を計測するなど力強い投球をしており、「調子は徐々に上がってきている」と話します。「侍ジャパン」の井端弘和監督は「球はトップクラス。WBC、ロサンゼルス五輪ではチームのエースとして、日本代表に入ってきて欲しい」と期待しています、

 「舜平大(しゅんぺいた)」という名前は、20世紀前半を代表する経済学者ヨーゼフ・シュンペーターに由来し、母が「響きが良くて海外の人も発音しやすい」という理由で命名したそうだが、将来メジャーに移籍することがあっても、いきなり溶け込めそうな名前と言えます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。