17年ぶりに2度目の2年連続Bクラスに沈んだ巨人。同一監督では初となる悪夢のような成績に終わったが、その理由に「外野手が固定できなかったこと」と「救援陣の防御率が12球団ワーストだったこと」が挙げられます。

 巨人の外野手というと、かつては松井秀喜、高橋由伸といった打力があり、1シーズンフルに出場できる選手がそろい、それがチームを支えてきました。しかし、昨季は、2006年以来17年ぶりに外野手が1人も規定打席に到達せず、奇しくも「2年連続Bクラス」の時と同じ不名誉な記録となりました。

 昨季は主に右翼を守った丸も34歳となり、21歳の秋広と左翼の定位置を争います。このほか、新外国人でメジャー通算178本塁打を誇るオドーア、ベテランの長野、梶谷、若手のオコエ、松原、萩尾、浅野、ルーキーの佐々木らがレギュラー獲得に名乗りを挙げています。競争が熱を帯びるほどチームの幹は太くなるが、さて今季は規定打席到達の外野手が何人出るか、注目されます。

 一方、昨季の救援陣の防御率は「3・81」で12球団最悪でした。再建策として、首脳陣は「無駄な四球」を減らすことを打ち出しました。そのため、キャンプでは投手には真ん中付近を目掛け、しっかり腕を振って投げる意識を求めました。実戦でも、3球三振を奪うなど大胆にストライク先行で攻める姿勢が目立ちました。

 杉内投手チーフコーチは「だいぶ浸透してきた」と、ここまでは手ごたえを感じているようです。

 チームの不成績で指揮官が変わる時は、新監督が新たなチーム作りを図ることになります。阿部監督も攻撃面で「走る野球」を掲げるなどの新機軸を打ち出しているが、さらに「外野陣」と「救援投手」の強化を図ることを目指しています。

 リーグ優勝は20年以来4年ぶり、日本一に至っては12年以来12年ぶりを目標に掲げる巨人にとって、これら以外にも多くの新たな構想を想定する新監督の手腕が試されるシーズンとなりそうです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。