新生・阿部巨人は、23日から始まったオープン戦で、2試合続けて「走る野球」を前面に出し、2連勝と好スタートを切りました。

 23日の初戦の相手は、昨季の日本一・阪神。阿部監督は初回から積極的な走塁を仕掛けました。1番に指名された松原は、左中間への安打で出塁すると、続くオコエの打席でフルカウントからの全5球でスタートを切り、四球に繋げました。門脇の犠打、岡本和の適時打などで打者一巡の猛攻となり、再び打席が回ってきた松原は左前打。七回には先頭で3安打目の左前打を打ちました。

 2021年に出場135試合で打率2割7分4厘とブレイクした松原だったが、ミスや凡打から消極的になっていく悪循環で、22、23年と出番が激減。そこで阿部監督は「松原復活」のために1番に起用し、見事期待に応えました。試合も9-4で阪神を圧倒しました。

 続く24日の広島との一戦。三回、1点を追加し、なおも無死一、三塁で一塁の代走に岸田が送られた。岸田は、広島の斉藤が投じた2球目を捕手が弾くとほぼ同時に、思い切りよくスタートを切り、悠々と二塁へ。一死から佐々木の二塁打で生還しました。この回は安打で出た門脇、萩尾がともにともに盗塁を決めており、その後は単打で二塁から生還するなど、相手投手を足で揺さぶり、6点のビッグイニングとなりました。試合は10-1で、2試合連続圧勝となりました。

 昨季のチーム本塁打はリーグ最多の164本。日本一の阪神と比べ2倍近いにも関わらず、総得点は及びませんでした。進塁への貪欲さに欠けていたことも一因で、亀井外野守備走塁コーチは「走りに行っていないから各駅停車になる」と指摘していました。

 キャンプでは課題の解消が図られ、例えば22日の走塁練習では、野手が一塁走者となり、投球がワンバウンドになればスタートを切る練習を積んでいました。

 阿部監督自身は現役時代、自身の走塁練習は全くと言っていいほどやらなかったが、「君子豹変す」で、指揮官になった途端、これまでの自身の野球とは全く別の「走る野球」でV奪回を目指しているようです。

   ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。