米大リーグのキャンプは20日、アリゾナ、フロリダ両州で行われ、ジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手として参加している筒香嘉智内野手(32)は、アリゾナ州スコッツデールで、同僚選手と対戦する打撃練習(ライブBP)やフリー打撃に臨みました。

 米球界で5年目を迎えた筒香は「結果を出さないといけない立場。5年間の中では一番、体調がいい」というスタートを切りました。この日は、昨季39セーブの右腕ドバルと左腕ハリソンと対戦するライブBPを行い、安打性の当たりはなかったものの、「主力級2人の投球を最初に見られた。いい目安になる」と前向きに捉えました。その後のフリー打撃では29スイングで柵越え8本を放ち、期待される長打力をアピールしました。

 昨季は初めてメジャーでの出場がなく、マイナーのチームや独立リーグでシーズンを過ごしました。「昨季まではキャンプである程度、試合に出られるという目安があったけど、そういうのも全くなくなっている。メジャーに昇格できるかは、オープン戦の結果だけ」と、必死の形相だったのが印象に残りました。

 というのも、マイナー契約の筒香は、オープン戦では主力が交代後の五回以降が勝負となるからです。そのために一回からベンチ入りし、途中出場に備えるという厳しい日が続きます。

 一方、この日休日のドジャースでは、同州グレンデールでロバーツ監督が山本由伸投手(25)は今後、実戦形式の打撃練習での登板やオープン戦に臨み、その後3月20、21日に韓国・ソウルで行われるパドレスとの開幕2連戦のいずれかで先発する見通しだと明らかにしました。大谷翔平選手(29)については、開幕戦までにオープン戦などで合計50打席を目途に調整を進める方針を示しました。

 メジャー昇格を目指す筒香、大リーグ移籍の山本、ドジャース移籍の大谷と、3人の立場はそれぞれ違うが、特に「崖っぷち」の筒香の飛躍に注目していきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。