歴代最多とされる高校通算140本塁打を放ち、米国の名門・スタンフォード大学への進学が決まった花巻東高校(岩手)3年の佐々木麟太郎内野手(18)が20日、同校で報道陣の取材に応じました。

 名門大への留学については「覚悟を持って決断した」と思いを明かし、背番号は複数の候補から、巨人軍・長嶋茂雄終身名誉監督(88)が現役時代に付けていた「3」を選択しました。他の候補は、母校の先輩である大谷翔平選手(ドジャース)の「17」と、メジャー史上最多の762本塁打をマークしたバリー・ボンズ(59)が背負った「25」。

 その中で「3」を選んだのは「3イコール長嶋茂雄さんというイメージ、印象がすごく浮かんできた。プロ野球界で記録だけでなく記憶にも残る選手が付けていた番号。そういう理由で最終的に3番に決めさせていただきました」と説明しました。

 世界大学ランキングでは英オクスフォード大学に次ぐ2位の大学。佐々木は学費、寮費全額免除となるフル・スカラーシップで入学します。野球部も全米大学選手権に最近3年連続出場するなど、過去19度出場して2度全米チャンピオンに輝いた実績があります。

 今後のビジョンに関しては、2026年のMLBドラフトだけでなく、27年のNPBドラフトも視野に入れています。自身について「まだまだ未熟」と分析し、「レベルアップして2、3年後のドラフトで指名をいただければうれしい」と謙虚に語りました。在学中に指名を受けた場合は、オフの期間などに単位を取得し、卒業を目指すそうです。

 佐々木選手の父親で、同校野球部の佐々木洋監督(48)は「野球選手としても人間としても(スタンフォード大学で)可能性をのばしてもらい、日本に何か貢献できるような人間になってほしい」と、期待を寄せていました。

 日本の高校から米国の大学に進学し、大リーグやプロ野球のドラフト指名を受ける――という新たな道を選択した佐々木選手の行方が注目されます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。