米大リーグ・ドジャースの山本由伸投手は17日(日本時間18日)、アリゾナ州グレンデールでの春季キャンプで、実戦形式に同僚の打者と対戦する「ライブBP」に初登板。主力の6打者に28球投げ、安打性の当たりは中前への詰まった当たり1本に抑える上々の内容でした。
「ライブBP(Live Batting Practice)」は、日本の「シート打撃」に近いが、シート打撃のように打った打者は走らない練習方法です。ここで山本は2018年のMVPのムーキー・ベッツや20年のMVPのフレディ・フリーマンら6人に投げ、ベッツに詰まった中前打を打たれた以外は、完ぺきに抑える投球内容でした。
アンドルー・フリードマン編成本部長やデーブ・ロバーツ監督が見守る中、最速155㌔の速球、ツーシーム、カーブ、カットボール、スプリットを正確に投げ分けました。山本は「しっかり集中して投げられたし、バッターと対戦する感覚を確認できた。ストレートは特にコントロールよく投げられた。スプリットも何球か、いいところに決まっていたので、ここからもっと精度を上げていきたい」と、笑顔で振り返っていました。
ベッツには153㌔の内角高めの速球で空振りを奪い、フリーマンにはスプリットと速球のコンビネーションで完全にタイミングを外しました。フリーマンは「みんなが見ている中で、初めての投球であの制球力を見せるなんて信じられない。変化球はえげつなかったし、どれほど褒めても褒めたりない」と絶賛していました。
帽子にはピッチコム(サイン伝達機器)を付けて捕手から伝達されたサインをきっちりと把握し、新たな経験にも迅速に対応できました。ロバーツ監督は「速球はストライクゾーンの隅に投げることができ、左打者からも右打者からもアウトを取れる。山本が先発の軸になることを確信している」と、信頼感がより高まった様子でした。
この日は大谷翔平との対戦はなかったが、2人の対戦を早く見てみたい、と思いました。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。