巨人の阿部慎之助監督(44)の方針や信条などをまとめた小冊子「クレドカード」が15日、報道陣に公開されました。かつて「三原魔術」と言われた三原脩監督の「三原ノート」を受け継いで昨春のWBC世界一に導いた栗山英樹・日本代表「侍ジャパン」前監督のように、阿部監督自身の聖書のような「アベノバイブル」でチームを優勝に導くことが出来るか、注目されます。

 「クレドカード」とは、「企業の信条・行動指針を簡潔に示した言葉を書いたカード」です。クレドとはラテン語で「信条」を意味しています。社員証と同じくらいの小さなサイズのカードに記載し、首から下げるなど従業員に携帯してもらえるようにしたもので、いつでも見返せるようにすることを目指しています。

 「アベノバイブル」は、監督の方針として①勝利のために自己犠牲ができる選手を起用する②成績だけの昇降格はしない③結果が大事だがプロセスを重要視する④トライアル&エラー失敗から学ぶ⑤チーム内競争を促す⑥5つのスキルを備える――の6項目。

 「5つのスキル」とは①素直さ(性格、態度が穏やかでひねくれない)②謙虚さ(高い地位であっても、控えめな態度、相手の意見を受け入れる)③継続力(物事を諦めず取り組み続ける能力)④献身性(一身をささげ、自分の利害得失を考えないで人や物事に尽くす)⑤思考力(自分の経験や持っている知識をもとに考える能力)――を挙げています。

 阿部監督は、太平洋クラブの社長がクレドカードを作っているのを見て、感銘を受けたことがきっかけでこれを作リ、選手やコーチ、スタッフに配るそうです。さらに中学生硬式野球チーム「ジャイアンツU15ジュニアユース」やジャイアンツ女子チームにも配布されます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。