2028年ロサンゼルス五輪・パラリンピック組織委員会のケーシー・ワッサーマン委員長は8日、フロリダ州オーランド近郊で、大リーグのオーナーに対し、これまでオリンピックの野球に出場したことがない大リーガーの参加を促すための説明会を開きました。
ワッサーマン委員長が提示した案では、出場は6か国、或いは8か国で、競技開催期間は5、6日間。ロス五輪が開幕する7月14日は、例年、オールスター戦開催の時期と重なります。オールスター戦を中止にするという考えがある一方、オールスター戦も五輪開催地のロサンゼルスで行うという考えもあるとしています。
大リーガーの出場には、米大リーグ機構(MLB)だけでなく、大リーグ選手会の同意も必要になってきます。選手会のトニー・クラーク専務理事は「野球と五輪に関連する、いかなる公式な提案も聞く用意がある」と、柔軟な姿勢を見せています。
これに対し、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは「長所は五輪と大リーグという二つの偉大なブランドが結び付く可能性があること。欠点は日程消化だ。通常ならオールスター戦に近く、非常に複雑である」と、まだ結論は出してない模様です。
五輪の注目度は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)と比較にならないほど高く、MLBにもメリットは多いはずです。
しかし、選手がけがをした場合はどうするか、中止の試合の利益の補填はどうするかなど、まだまだ課題は残っています。
それでも昨年のWBCを見ると、選手が出場を望む傾向が見られ、五輪でも同様の声が高まれば、大リーガーのロス五輪出場の可能性は増すのではないかと思われます。
大リーガーの参加が可能となれば、大谷翔平選手(ドジャース)らが日本代表「侍ジャパン」として出場し、金メダルに輝くチャンスも出てきます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。