巨人宮崎キャンプの臨時コーチ、球団OBの松井秀喜さん(49)が指導した秋広優人内野手(21)が、11日の紅白戦で2安打と、いきなり結果を出しました。第1打席で松井義弥投手(23)の146㌔の速球を中前に運ぶと、第3打席はエルビス・デルシアーノ投手(23)と対戦し、バットを折りながらも中前に運びました。

 背番号「55」の後継者、秋広については「あれだけのサイズ(2㍍2㌢、107㌔)の日本人選手はなかなかいない。なおかつ、パワーもあります。もう見ているだけで夢がある」と評価し、連日、素振りなどを見せながら熱心に指導しています。秋広も「非常に幸せな時間。松井さんから指導を受けるこの時間を無駄にしません」と意気込みを見せました。

 松井さんが入団した時は、当時の長嶋監督が付きっきりで指導し、その後の日米で活躍する下地を作ったが、こんどは松井さんの指導で秋広がスケール通りに「大化け」できれば、背番号「55」が再び相手チームの脅威となっていくでしょう。

 6年ぶりに宮崎を訪問した松井さんは「いつ来てもいいですね。ここにはいい思い出しかないです」と話し、紅白戦終了後には、球場前の特設ステージで故郷・石川県の能登半島地震の被災地支援として、募金活動も行いました。

 ステージには松井さんのほか、石川県出身の山瀬慎之助捕手(22)、泉圭輔投手(26)も参加。ファンが長打の列を作ったため、全員が募金を終えるまで1時間近くかかったが、松井さんは笑顔でハイタッチし、一人一人にお礼を言っていました。松井さんの人柄が出たシーンでした。

 松井さんは14日まで、臨時コーチを務めます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。