プロ野球のキャンプは2月1日から始まるが、キャンプ地は現在、宮崎と沖縄の2県に12球団が集結して行われます。しかし、昔は毎年キャンプ地を変えたり、キャンプ中に長雨のために場所を変更、海外キャンプなど、様々な変遷があります。
プロ野球が2リーグに分立した1950年当時は、キャンプ開始日は球団によってバラバラで、1月下旬からのチームもあれば、2月中旬からの球団もありました。
キャンプ地も、現在は同じ場所で10年以上続ける球団が多いが、50年代は頻繁に変えるチームもありました。例えば、50年に山口県下関市に誕生した大洋(現DeNA)は、キャンプ地を下関→芦屋(兵庫)→下関→明石(兵庫)→長崎→鹿児島→長崎→松山→明石と、9年連続で変更したチームもありました。
少しでも機構が温暖で、練習環境の整った場所を探して各地を転々とした苦労の歴史が見いだせます。中には飛行場の滑走路で練習した球団や、女子校のグラウンドで2週間あまりキャンプを張ったチームもあったそうです。
今年の12球団のキャンプ地(一軍)と日程(すべて2月中)は次の通りです。
【宮崎県】巨人(1~14日)オリックス(2~29日)ソフトバンク(1~29日)=宮崎市、広島(1~13日)西武(6~25日)=日南市
【沖縄県】巨人(16~28日)=那覇市、広島(15~27日)=沖縄市、阪神(1~27日)=宜野座村、DeNA(1~25日)=宜野湾市、ヤクルト(1~28日)=浦添市、中日(1~25日)=北谷町、楽天(1~18日)=金武町、日本ハム(1~25日)=名護市、ロッテ(1~11日)=石垣島、(13~25日)=糸満市
以前は、キャンプ中に12球団すべてを巡るのは難しかったが、現在は、2県に集中したので、可能になりました。一方、ドジャースの大谷翔平や山本由伸のキャンプが見たい、ダルビッシュ有や松井裕樹がいるパドレスのキャンプ地に行ってみたいという人は、円安もあり、多大な出費が必要なようです。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。