プロ野球のキャンプが2月1日、スタートします。各球団とも優勝目指して体力強化、技術、チームプレーの習得などをキャンプで徹底していくが、中でも新人は初めての経験で伸びる選手、壁に当たってしまう選手など明暗が分かれていきます。そこで、12球団のドラフト指名選手がどれだけ戦力になっているかを見ていきたいと思います。

 ドラフト会議が現在の形となった2008年以降で、戦力として活躍した選手が多いのはどの球団か、を数値化しました。目安は、通算300安打以上または通算30勝以上(18年以降は200安打、20勝以上)した選手がどれだけいるかです。

 1位は昨季日本シリーズ優勝で3年連続パ・リーグを制した26人のオリックス。かつては即戦力の社会人が多かったが、最近は高卒の育成にも成功し、宮城大弥や紅林弘太郎が活躍。26人以外にも山崎颯一郎、宇田川優希、山下舜平大らがいます。

 2位は25人のDeNA。大卒や社会人の活躍が目立ち、ドラフト4位以下で桑原将志、宮崎敏郎、佐野恵太という主力を獲得しています。3位は22人の日本ハム。高卒の成功が多く、大谷翔平の二刀流を成功させたことは最大の功績。他にも近藤健介らが活躍。

 4位は21人の広島。高卒と大卒の成功が大きい。野村祐輔や大瀬良大地、菊池涼介、鈴木誠也らが主力を張ってきました。5位は20人でロッテと西武が並びました。ロッテは社会人が多く、西武は菊池雄星ら高卒の選手が結果を残しています。

 7位は18人の阪神。佐藤輝明、中野拓夢ら大学、社会人の成功が目立ちます。8位は17人の中日。投手は大野雄大、柳裕也ら成功が多いが、野手は苦戦しています。9位は16人のソフトバンク。育成からは千賀滉大、甲斐拓也らが育っているが、育成を除くと12球団ワーストの12人となります。

 10位は15人のヤクルト。山田哲人や村上宗隆のように外れ1位から大成功した選手がいる一方、その他は伸び悩んでいる選手が目立ちます。11位は14人の楽天。高卒は松井裕樹を除いて好成績を残せず、大学や社会人出身は戦力になっている例が多く見られます。12位は13人の巨人。1位指名は菅野智之、岡本和真ら戦力になっている選手が多いが、4位以下は育っていません。

 2月から始まるキャンプで新人がどれだけ育つか、見守っていきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。