ロッテの佐々木朗希投手(22)は26日、球団との交渉で契約に合意しました。プロ野球12球団のなかでただ1人、契約未更改だった佐々木だが、2月1日の沖縄県石垣島でのキャンプイン直前に更改し、「自費キャンプ」は回避できました。

 最後まで未更改だった理由は、どうやら「早期のメジャー挑戦」を希望する佐々木に対し、球団側が色よい返事をしていなかったことが挙げられています。入団前からメジャー志向を持っていた佐々木。早期の移籍を求め、球団とは挑戦の時期やクリすべき条件について、今回の交渉の中でも話し合っていたと思われます。

 プロ4年目の昨季、WBCでは日本代表の3大会ぶりの優勝に貢献し、シーズンでは15試合に登板して7勝4敗、防御率1・78をマーク。しかし、先発ローテーションの中心として期待されながら左脇腹の肉離れなどで夏場に離脱し、その後復帰したが、91イニングの登板にとどまって、規定投球回には届きませんでした。

 海外FA権取得前にメジャー移籍するためには、ポスティングシステムが現実的。ただし、現行制度では25歳未満の移籍はマイナー契約に限られ、所属球団に支払われる譲渡金も制限されるため、球団が容認する可能性は低いといわざるを得ないのが現実です。

 佐々木は、これまでは12月に契約を更改していたが、このオフはプロ入り初の越年となり、前日の25日に楽天の辰巳涼介外野手(27)が契約更改したため、12球団で1人だけ契約未更改でした。

 佐々木が回避した「自費キャンプ」だが、2005年には、当時巨人の上原浩治投手が、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍をめぐって球団と折り合いがつかず、契約を交わさないでキャンプに突入、「自費キャンプ」を経験したことがありました。

 「自費キャンプ」は、キャンプインまでに未公開の場合、移動費、食博日などのキャンプ費用を、選手個人が支払うことです。 

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。