大谷翔平選手が本塁打を打っても、投手陣の崩れなどで敗れると「なお、エンゼルスは敗れました」とアナウンスされるとして、日本のSNSなどで「なおエ」と揶揄されることが、昨季までは多く見られました。

 米国のデータサービスの「コーディファイ」が21日(日本時間22日)に公開した「2021年からの3年間における、敗戦試合で放った本塁打数」によると、トップが大谷で53本。2位はピート・アロンソ(メッツ)の46本、3位はクリスチャン・ウォーカー(ダイヤモンドバックス)が45本で続きます。

 大谷は21年から46本、34本、44本と合計124本塁打放っているが、うち53本が負け試合でした。年度別でみると、本塁打を打った試合は21年が22勝21敗、22年が17勝11敗、23年が24勝16敗。この間、先制、同点、勝ち越し、逆転の「肩書付き」本塁打を52本(23年6月12日のレンジャーズ戦は同点と勝ち越し)放っているが、29勝22敗。1試合2発は13試合で9勝4敗。

 このため、大谷がエンゼルスに所属した6年間、ついに一度もプレーオフに進出することはありませんでした。

 しかし、新天地のドジャースでは、こうした心配が大幅に減ることが予想されます。打撃陣には、昨季、打率3割7厘、39本塁打、107打点のムーキー・ベッツ、打率3割3分1厘、29本塁打、102打点のフレディ・フリーマン、打率こそ2割1分2厘と低いが36本塁打、105打点のマックス・マンシーらが並び、大谷が孤軍奮闘となるケースは減るはずです。投手陣も山本由伸、タイラー・グラスノーの加入で、一層強化されました。

 この3年間、大谷が先発して好投、自ら本塁打も打って勝利投手の権利を得ながら、試合終盤にリリーフ陣が打たれて敗戦、というケースも何度も見られました。今季は登板はないが、昨季までの「なおエ」から、大谷が本塁打を打てばドジャースは勝つという「ホームラン神話」が生まれれば、念願の「ワールドチャンピオン」への道も近くなるでしょう。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。