ドジャースの大谷翔平選手が日本の全小学校にグラブを送ったことは、このオフの大きな話題となったが、こうした心が温まる出来事は、ほかにも見られました。

 大谷は、昨年11月に日本全国の小学校、約2万校に3個(右利き用2個、左利き用1個)ずつ、合計6万個のグラブを寄贈しました。受け取った子供たちを伝えるテレビ報道からは、いずれも笑顔が浮かんでいました。

 大谷の母校・花巻東高校(岩手)の先輩・ブルージェイズの菊池雄星投手は、花巻市に最新鋭の機器を備えた屋内練習施設オープンする予定です。高校時代を過ごした地に、子供から大人まで、だれもが使える屋内野球施設を建設中で、今年の11月には完成する予定です。

 ジャイアンツとマイナー契約を結んだ筒香嘉智外野手は、故郷の和歌山県橋本市に、自費2億円をかけて新球場を建設しました。内外野天然芝で、両翼100㍍、中堅120㍍で、屋内練習場も隣接し、昨年12月に完成しました。同球場を本拠地とする小学生硬式野球チームも新設しました。

 こうした出来事は日本の選手だけではありません。元カージナルスのヤディアー・モリーナ捕手は、母国プエルトリコの母校の小学校を買い取って、青少年育成の場としました。

 元エンゼルスのアルバート・プホルス選手は、休職状態だった故郷ドミニカ共和国の球団施設で働く職員全員の給料5か月分をポケットマネーで支払い、野球場も建設しました。

 ウクライナ、ガザ地区、能登半島と、悲しい光景が多く映し出される昨今。野球選手のこうした行いが、一服の清涼剤となることは、間違いありません。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。