井端弘和監督が率いる野球日本代表の「侍ジャパン」の今年の最大の大会は、世界ランキングの上位12か国が出場する11月の「第3回プレミア12」。投打でチームを引っ張るのは、ロッテの佐々木朗希投手(22)と日本ハムの万波中正外野手(23)になるでしょう。

 昨年は、栗山英樹・前監督の下でWBCを制した「侍ジャパン」。今年は、3月6、7日に京セラドームで行われる欧州代表の試合を経て、11月のプレミア12に臨みます。

 「侍ジャパン」の投手陣の中心となるのは、佐々木。WBC優勝メンバーのうち、オリックスの山本由伸がドジャース、今永昇太はカブス、松井裕樹はパドレスへ、それぞれ移籍。プレミア12はメジャーリーガーの出場は期待できないだけに、佐々木にかかる比重は高くなります。

 ただ、佐々木は昨年7勝4敗、防御率1・78、91回で135奪三振と、高い潜在能力を披露したが、プロ4年間で規定投球回数に達したことが一度もないのが課題です。1年間やり切れる体力がまだ出来上がっていないので、今年こそ規定投球回数をクリア、11月のプレミア12に臨むことが求められます。

 逆に、打線の中心となる万波は昨年、プロ5年目で初めて規定打席に達し、打率2割6分5厘、25本塁打、74打点と飛躍しました。昨秋の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」では、全4試合に出場して17打数6安打でバックスリーンと右翼席に本塁打を放つなど、強く印象を残しました。

 一昨年までは「三振かホームランか」という印象が強く、確実性がないのが課題だったが、昨年はパワーに加えて確実性が備わってきました。今年は、ヤクルトの村上宗隆、巨人の岡本和真と「侍ジャパン」の4番の座を争って欲しいものです。

 若く、伸びしろののある佐々木と万波がチームを引っ張ることが出来れば、WBCで世界一になって日本中を沸かせた「侍ジャパン」の熱気を、引き継ぐことができると思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。