野球の独立リーグから、昨秋のプロ野球ドラフト会議で支配下、育成合わせて史上最多の23選手(前年は10選手)が指名されました。以前は育成での指名がほとんどだったが、昨秋は2位に2選手が指名されるなど、最近は「即戦力指名」へと変化しています。
独立リーグの選手は、加入から1年でNPB入りできることが魅力です。社会人野球は、日本野球連盟と日本プロフェッショナル野球組織との間の協定に基づき、中卒、高卒選手は3年目、大卒選手は2年目まで指名を受けることはできません。
阪神から2位指名された四国・徳島の椎葉剛投手(21)は、入団当初は最速148㌔だった球速が、159㌔右腕に成長。この理由として、入団当初の1~3月の3か月間はトレーナーの指導の下で肉体改造を行ったことと、当初先発投手だったが、球威をアピールするために救援に配置転換したことで、椎葉の才能が開花したことが挙げられます。
社会人野球の名門・日立製作所での主力投手の座を捨ててBC神奈川入りした、最速151㌔左腕の安里海投手(24)は「プロ野球に自信を持って行けるように、独立リーグを選びました」と説明。
1㍍92の長身から最速148㌔を誇る東京・修徳高校の篠崎国忠投手(18)は「1年でプロ野球入りを叶えたい」とBC栃木入りを決めました。
2005年に日本初の独立リーグ「四国アイランドリーグ」が発足してから19年。徳島をはじめ各球団がドラフト指名への育成方法を熟成するようになりました。これまでの「高校」、「大学」、「社会人」からのプロ入りから、「独立リーグ」が加わったことで、プロ野球選手を目指す若者の選択の幅が広がりました。
昨年、米大リーグ・メッツの千賀滉大投手が、プロ野球の育成選手から初めてメジャー選手になったように、近い将来、独リーグ出身の選手から初めて大リーガーの道に進む日も、きっと現れるでしょう。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。