巨人の坂本勇人(35)が12日、那覇市内で自主トレーニングを公開したが、プロ18年目の今季は、長くレギュラーを務めた遊撃手から、本格的に三塁手に転向する予定で、長嶋茂雄らスーパースターが守ってきた「ホットコーナー」で坂本がどんなプレーを披露するか、注目していきたいと思います。

 巨人の歴代三塁手で最初に名前が浮かぶのは、もちろん「ミスタージャイアンツ」の長嶋。1958年の入団1年目からレギュラーをつかみ、新人ながら本塁打王、打点王、最多安打を獲得し、翌年には首位打者も獲得。60年代の10年間は首位打者4回、本塁打王1回、打点王3回、MVP4回など、最も輝いた時代でした。62年からは王貞治との「ONコンビ」でチームをけん引し、65年からの「V9」を達成するチームの黄金期を支えました。

 長嶋が74年に引退すると、翌75年は球団史上初の「現役大リーガー」であるデービー・ジョンソンが守ったが、肩甲骨骨折が響き、低打率に終わりました。76年から3年間は左翼手からコンバートされた高田繁が守り、外野手時代に続いてダイヤモンドグラブ賞を獲得するなど活躍。

 79年からは「絶好調男」の中畑清が起用されたが、81年途中に故障のため離脱。代わりにルーキーだった原辰徳が二塁手から回ってその年の新人王に輝き、83年には打点王とMVPを獲得するなど7年間に渡りレギュラーを務めました。原が左翼手にコンバートされた89年からは岡崎郁が起用され、95年からはヤクルトで本塁打王と首位打者の経験があるジャック・ハウエル、97年はルーキーだった仁志敏久、98年は元木大介が守りました。

 2000年代に入ると、補強によって他球団から大物選手が就くようになりました。2000年から4年間は広島からFAで加入した江藤智、04年から3年間はダイエーからの小久保裕紀、07年からは日本ハムから小笠原道大が加わり、打率3割1分3厘、31本塁打。88打点で5年ぶりの優勝に導いて、MVPを獲得しました。12年からは横浜から村田修一が加わりました。

 19年からは、久々に生え抜きの岡本和真が守り、23年終盤から坂本が入って、24年、本格的に就く予定です。坂本は「監督が代わり、僕もポジションが変わる。心機一転、頑張っていきたい」と意欲を見せていました。

    ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。