DeNAからポスティングシステムを利用して米大リーグ移籍を目指していた今永昇太投手(30)が9日(日本時間10日)、カブスとの契約に合意したと、米メディアが報じました。交渉期限は11日(同12日)に迫っていたため、ぎりぎりの合意でした。これで鈴木誠也外野手(29)と同じチームとなり、1876年創設の名門球団でワールドチャンピオンを狙うことになりました。

 先発左腕の今永は、北筑高校(福岡)から駒澤大学を経て、2016年にドラフト1位でDeNAに入団。17年に11勝をマークして日本シリーズ進出に貢献し、19年は自己最多の13勝を挙げました。昨年は22試合の登板で7勝4敗、防御率2・80、174奪三振で、最多奪三振のタイトルを獲得。通算では165試合の登板で64勝50敗、防御率3・18。

 今永は、国際試合で結果を残しており、19年の「プレミア12」では2試合に先発して9回を投げて失点はわずか1、奪三振12のエース格の投球を見せて優勝に導きました。日本が優勝した昨年3月のWBCでは、米国との決勝戦に先発しました。

 カブスは昨年、83勝79敗でナ・リーグ中地区2位。ワイルドカード争いで最後の座を射止めたダイヤモンドバックスにわずか1ゲーム及ばず、3年ぶりのポストシーズン進出を逃しただけに、鈴木とタッグを組んで、まずはプレーオフ進出を目指します。

 なお、今永の契約条件の詳細は不明だが、移籍情報サイトの「トレードマーズ」によると、「当サイトは5年総額8500万㌦(約123億3000万円)と予想していたが、最近の報道では総額1億㌦(約145億円)超えもあり得る」と伝えています。

 これで、日本選手で移籍先が決まっていないのは、日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す上沢直之投手(29)と、オリオールズからFAとなった藤浪晋太郎投手(29)の2人となりました。上沢も交渉期限は今永と同じ11日で、残り2日間を切っています。藤浪は、代理人のスコット・ボラス氏が高額契約を取ろうと、交渉を重ねています。

 2人も早く決まって、キャンプ、オープン戦、公式戦と進んでいって欲しいものです。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。