東京6大学野球リーグの東大は8日、東京都文京区の東大球場で「練習始め」を行い、主将の藤田峻也内野手(3年)は今年の目標に、なんとリーグ戦史上初の「優勝」を掲げました。これまで優勝回数ゼロで、昨年秋まで52季連続最下位の東大なのに、なぜ「優勝」なのかーー。

 リーグ戦の通算成績は、①早大1339勝804敗97分け、勝率6割2分4厘②明大1302勝867敗117分け、6割③慶大1271勝884敗105分け、5割8分9厘④法大1234勝912敗132分け、5割7分5厘⑤立大972勝1180敗108分け、4割5分1厘⑥東大257勝1728敗63分け、1割2分9厘。

 優勝回数は①法大46回①早大46回③明大43回④慶大40回⑤立大13回⑥東大0回。

 連勝記録は①慶大20②法大16③明大15④立大14④早大14⑥東大4。

 連敗記録は①東大94②法大16③立大12④明大9④早大9⑥慶大8。

 このように、東大は優勝回数ゼロで、最高順位は1946年春の2位。2011年から15年にかけて94連敗を記録したが、11年の入部者は、とうとう1勝もできずに4年間の野球部生活を終えたことになります。

 それでも、あえて「優勝」を掲げた理由について、藤田主将は「最下位脱出を目標にしてしまうと、目の前の一戦に対する意識がどうしても潜在的に下がってしまう。目標を『優勝』にすると、どの試合も負けられない試合になると思うから」と説明しました。さらに「今年のチームは、負けん気の強い選手が多く、高い目標を全員が本気で目指せるチームにしていけたらいいと思っています」としています。

 2015年のラグビーワールドカップで、日本が南アフリカに勝った時は「史上最大の番狂わせ」と言われたものだが、「東大優勝」という「世紀の番狂わせ」が起きるかーー。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。