巨人からロッテに移籍したグレゴリー・ポランコ(32)は26本塁打を打ち、ロッテでは1986年の落合博満以来の本塁打王を獲得しました。移籍1年目の本塁打王は今季の近藤健介(日本ハム→ソフトバンク)を含め10、11人目となりました。

 巨人から移籍しての打撃タイトル獲得は、2017年に打点王と最多安打を獲得したホセ・ロペス(DeNA)以来5人目。本塁打王は1954、56、57年の青田昇(大洋)に次いで66年ぶり2人目。ただ、青田が巨人から移籍して最初に本塁打王になったのは2年目で、巨人からの移籍1年目に本塁打王になったのは、ポランコが初のケースです。

 巨人から移籍の1年目に20本塁打以上も例は少なく、1950年の白石勝巳(広島)が打った20本、2007年の小久保裕紀(ソフトバンク)の25本、15年のロペスの25本に次いで4人目で、26本は最多です。

 ポランコは昨季も24本塁打で、在籍2シーズンで2球団で20本以上打ちました。来日1、2年目が異なるチームで20本塁打以上は史上5人目で、リーグをまたいで記録したのは1994年にロッテで23本、95年にヤクルトで29本打ったヘンスリー・ミューレンについで2人目となりました。

 本塁打王に輝いたポランコだが、本塁打がなかなか勝利に結び付きませんでした。7月16日の楽天戦と8月23日のソフトバンク戦では、ともに1試合3本塁打を打ったが、いずれもチームは敗戦。3本塁打した試合でシーズンに2度も敗れたのは、ポランコが史上初のケースでした。

 また、本塁打を打った試合は11勝11敗の勝率5割。ロッテの今季の勝率は5割7厘のため、ポランコが本塁打を打った試合の方が、勝率は下でした。本塁打を打った試合が勝率5割以下は、13年ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)以来8人、9度目。Aクラスや勝ち越したチームからは初めてでした。

 来季は「勝利に結び付く本塁打を打つ」ことがポランコの目指すところとなるでしょう。

    ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。