DeNAのトレバー・バウアー投手(32)は、来日1年目に10勝を挙げました。新外国人投手が二けた勝利を飾ったのは35人目だが、バウアーの初登板は5月3日の広島戦。来日初登板が5月以降では、1952年のジミー・ニューベリー(阪急)、2001年のショーン・バーグマン(近鉄)、02年の張誌家(西武)に次いで4人目です。

 バウアーの今季最後の登板は8月30日の阪神戦で、5月~8月の期間の登板で10勝以上挙げたのは、バウアーの他には山本由伸(オリックス→ドジャース)だけでした。

 短期間で二けた勝利を飾れたの理由の一つに、日本球界では珍しくなった中4日という短い登板間隔が挙げられます。バウアーの今季の登板間隔は、中4日が6試合、中5日6試合、中6日3試合、その他4試合で、5月~8月の先発数はバウアーの19試合が最多です。

 この間、6月14日の日本ハム戦と7月6日のヤクルト戦で完投勝利を挙げるなど、メジャー時代に慣れ親しんだ中4日で結果を残しました。故障のために三回まで投げて降板してしまった8月30日を除き、中4日でも7イニング以上投げ続け、登板間隔別の防御率は中4日の1・84が最も良い数字でした。

 前回の先発から中4日以内で先発したのは今季5人、10度しかなく、2度以上はバウアーだけで、白星を挙げたのもバウアーしかいませんでした。

 プロ野球全体で中4日の先発は、1980年の387度から90年108度、2000年85度、10年38度と減り、80年は142度あった中4日の先発勝利も10年には15度へ激減しました。80年に104度の中4日の完投勝利は、最近ほとんど見られなくなりました。中4日の先発勝利が3度以上は11年のブライアン・バリントン(広島=4度)以来で、中4日の完投勝利2度は06年の黒田博樹(広島)と福原忍(阪神)以来でした。

 20年のレッズ時代にサイ・ヤング賞を獲得した元大リーガーが、1980年代のプロ野球界にタイムスリップしたような投球を日本で披露してくれました。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。