米大リーグメッツの千賀滉大投手(30)は移籍1年目の今季、決め球の「ゴーストフォーク」の空振り率が59・5%(304スイングで空振り181)を記録し、単一球種の空振り率では200スイング以上で今季メジャー最高をマークしました。

 空振り率はサイ・ヤング賞のブレイク・スネル(パドレス)のカーブ(56・3%)や、ナ・リーグ史上2位のシーズン奪三振率13・55を残したスペンサー・ストライダー(ブレーブス)のスライダー(55・3%)も上回りました。

 ちなみに大谷翔平(エンゼルス→ドジャース)がWBC決勝でマイク・トラウト(エンゼルス)から三振を奪い、世界一を決めたスイーパーは36・4%でした。

 千賀の「ゴーストフォーク」は、例えバットに当たってもヒットとはなりにくい球で、被打率は1割1分にとどまりました。さらに2ストイク後なら7分5厘(147打数11安打)と完ぺきで、打たれた長打は4本(本塁打1,二塁打3)だけでした。シーズン202奪三振のうち、半数以上の110個がフォークで、平均落差は約96㌢、最大落差は130㌢を記録しました。

 千賀の今季は、12勝7敗、202奪三振、防御率2・98。日本選手で「10勝、200奪三振、防御率3点未満」は1995年の野茂英雄(ドジャース)、2013年のダルビッシュ有(レンジャーズ)、22年の大谷に続く史上4人目。移籍1年目では野茂以来の快挙です。防御率リーグ2位は95年野茂、20年ダルビッシュ(カブス)に並ぶ日本選手最高順位でした。

 移籍1年目の200奪三振以上は、野茂、07年松坂大輔(レッドソックス)、12年ダルビッシュに次ぐ4人目。4人とも日本のプロ野球で奪三振王を獲得。三振を奪える投手はメジャーでも通用すると言えそうです。

 今季奪三振王だったセ・リーグの今永昇太(DeNA)、パ・リーグの山本由伸(オリックス→ドジャース)も、来季は大リーグ1年目で好成績を残す可能性大と予測されます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。