楽天の岸孝之(39)はチーム最年長投手だが、9勝でチームの勝ち頭となりました。「チーム最年長で勝ち頭」のケースは2022年の美馬学(ロッテ)以来で、楽天では初めてのことでした。

 また、8月11日のオリックス戦では2年ぶりの完封勝利を飾ったが、今年の楽天での完投勝利は、この1試合だけ。完投勝利の投手がチームで1人だけは9度目だが、チーム最年長投手がマークしたのは11年の三浦大輔(横浜)以来の2人目で、38歳の三浦を1歳上回りました。過去、完投投手が1人だけのチームは延べ9球団あるが、その中で際立っているのが21年のオリックスの山本由伸で、1人で6度の完投勝利、4度の完封勝利を成し遂げています。

 岸は西武からFAで移籍して7年目。7年間の勝利数は55となり、FA移籍した投手では、ダイエーから巨人に移籍した工藤公康が巨人時代に挙げた53勝を抜き、歴代トップに躍り出ました。

 岸は07年の新人の年から17年連続勝利投手となっているが、大卒1年目から17年以上続けて白星を挙げているのは22年連続の石川雅規(ヤクルト)、19年の鹿取義隆(巨人など)、酒井勝二(ロッテなど)、西口文也(西武)ら5人のみ。来年も勝ち星を挙げれば、西武時代の先輩・西口と並ぶパ・リーグ最長記録となります。

 今年は1勝足りなかった二けた勝利は過去8度あるが、40歳となる来年記録すると、過去6人しか達成してない「40歳以上での二けた勝利」となります。果たしてどうなるか、注目していきたいと思います。

  ◇◇◇◇

 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。