巨人の岡本和真は今季、41本塁打で3度目の本塁打を獲得しました。本塁打王は王貞治(巨人)の15度が最多で、3度以上は岡本でプロ野球20人目となります。
岡本が最初に本塁打王となったのは24歳の時の2020年。2度目が25歳の21年で、3度目の今季が27歳。27歳以下で3度以上本塁打王となったのは、王が6度(22~27歳)、中西太(西鉄)が5度(20~23歳、25歳)、野村克也(南海)が3度(22、26、27歳)に次いで4人目です。松井秀喜(巨人)の3度目は28歳で、大リーグでも活躍した偉大な先輩より1年早く達成しました。
また、岡本の連続30本塁打以上の記録は6年に伸びたが、こちらも王の19年連続が最長記録で、6年以上は岡本で9人目となります。松井はヤンキースに移籍する02年までに7年連続だったので、来季も達成すれば、並ぶことができます。
自身初めて40本塁打以上をマークした岡本の、方向別の本塁打を調べると、左方向は昨季の16本から倍以上の35本に増え、41本のうち85%が引っ張った本塁打。「王シフト」が敷かれたように、昔は「引っ張り型」の長距離打者が多かったが、最近は大谷翔平(ドジャース)のように逆方向へも打つ「広角打法」が主流で、岡本も昨季までは広角型でした。
1979年までに40本以上打った延べ41人を見ると、引っ張った本塁打が85%以上を占めたのが半数以上の22人いました。しかし、80年代は2人に減り、90年以降は40本以上打った56人の中で、85%以上は、今季の岡本ただ1人です。
岡本の最近6年間の本塁打方向を見ると、次のようになります。18年=33本(左方向21本)、19年=31本(14本)、20年=31本(17本)、21年=39本(19本)、22年=30本(16本)、23年=41本(35本)。
過去5年間は、引っ張った本塁打の割合は50%前後だったのが、今季は85%に跳ね上がった岡本。来季以降、今季のような引っ張り中心の打法になるのか、過去5年のような広角打法に戻るのか、注目されます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。