韓国のプロ野球リーグを運営する韓国プロ野球委員会(KBO)は、ストライクやボールを自動的に判定する「自動ボール判定システム(ABS)」を、来季から一軍の公式戦で導入することを決めました。
韓国紙の朝鮮日報(日本語電子版)によると、ABS(オートメイテッド・ボール・ストライクの略)は「投球がボールかストライクかを機会が自動的に判定し、審判に信号で伝えるシステム」だといい、「2020年から二軍でテスト運用されており、判定の正確さ、一貫性維持、判定結果が審判に伝えられる時間短縮などで成果を挙げている」と報じています。
韓国プロ野球は、リプレー検証も14年の早い段階から導入しており、日本のプロ野球に比べて地方での試合開催が少ないため、本拠地の球場で設備を整備しやすい側面もあるようです。
米大リーグ機構(MLB)でも、ABSの導入を目指しており、21年からマイナーリーグで実験を始め、今季は3Aの全球場で採用されました。半数の試合で、ABSによる判定を審判がそのままコールする「ロボット審判」を実施。残り半数では、審判自身が判定したうえで、選手らが確認を求める「チャレンジ」の際にABSを活用しました。
MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは、運用上の問題が残るとして、来季にメジャーでの導入には否定的な考えを示しています。しかし、今季の公式戦の退場宣告数239回のうち、半数以上が「ストライク、ボール」の判定による主審との衝突のため、25年からの導入の可能性は高くなっています。
韓国や米国では実施が秒読みに入った「ロボット審判」。「AI」や「IT」の進化が目覚ましいだけに、日本でも導入の時期が迫っていることは、間違いないようです。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。