国内外の大会で活躍した選手やチームを表彰する第72回日本スポーツ賞(読売新聞社制定、日本テレビ放送網共催)の選考会が14日開かれ、3月に開催された野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボールリーグ・クラシック(WBC)」で3度目の世界一となった日本代表「侍ジャパン」が大賞に選ばれました。
日本スポーツ賞は1951年から始まり、第1回の受賞者は、水泳で世界新記録を連発した古橋広之進が選ばれました。今回は、各競技団体から推薦された優秀選手29人、優秀団体19チームから選ばれるはずでした。
しかし、選考会では、審議に先立って行われた規定改定で、推薦競技団体がない「侍ジャパン」も大賞の選考対象に加わりました。というのも、野球は都市対抗大会で7年ぶり2度目の優勝を果たしたトヨタ自動車が推薦されていたからです。
WBCで過去2度世界一になった時も、日本スポーツ賞には選ばれず、「特別賞」に甘んじていました。今回、規定改定が行われたのは、WBCが世界のトップに位置する選手が参加するようになったためです。過去の大会では米大リーグ機構や大リーグ所属のチームが主力選手の参加を積極的に推していなかったため、「真の世界一」と認識されていませんでした。
しかし、今回は米国をはじめ、各チームに大リーグの中心選手が加わるなど、サッカーのワールドカップに近い形になりました。
その中で「侍ジャパン」は準決勝のメキシコ戦で先行される苦しい展開だったが、村上宗隆(ヤクルト)の適時打で逆転サヨナラ勝ち。決勝の米国戦は、最後に大谷翔平(エンゼルス→ドジャース)が大リーグ屈指の強打者で同僚だったマイク・トラウト(エンゼルス)を空振りの三振に仕留めてワールドチャンピオンになるなど、大きな感動を呼ぶとともに、社会現象を巻き起こしたことが評価されたようです。
さて、その大谷は、14日(日本時間15日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムで入団会見が行われます。WBC優勝をはじめ、日本人初の大リーグでの本塁打王、史上初の2度目の満票でのMVPなど2023年の「顔」となった大谷が、何を語るか、注目したいと思います。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。