プロ野球の年間表彰式「NPBアワーズ」が28日開かれ、阪神の村上頌樹がセ・リーグの最優秀選手(MVP)と最優秀新人に選ばれました。同時受賞は1980年の木田勇(日本ハム)、90年の野茂英雄(近鉄)以来3人目で、セ・リーグでは初めてです。
村上は3年目の今季、最優秀防御率(1・75)のタイトルを獲得するなど10勝6敗の成績で、阪神の18年ぶりのリーグ制覇、38年ぶりの日本一に貢献しました。
1年目は2試合の登板で0勝1敗、2年目は一軍の登板はなかったが、3年目の今季に飛躍した村上。4月12日の巨人戦(東京ドーム)で2年ぶりに先発し、7回までパーフェクト投球。途中交代で大記録達成はならなかったが、この好投をきっかけに開幕から31イニング連続無失点のセ・リーグタイ記録を樹立しました。
3年目に開花した村上に対し、過去2人の同時受賞者は、プロ入り1年目から華々しい活躍を見せています。
木田は、40試合の登板で22勝8敗4セーブ、完投19試合、完封勝利1試合、奪三振225、防御率2.28、勝率.733。最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振を記録する圧倒的な数字でした。
野茂は、29試合の登板で18勝8敗、完投21試合、完封勝利2試合、奪三振287、防御率2.91、勝率.692。最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振と、木田と並ぶタイトル独占でした。
一方、大リーグでは、2001年のイチロー(マリナーズ)がメジャー1年目にア・リーグMVP、新人王を同時受賞したが、これは1975年のフレッド・リン(レッドソックス)以来、大リーグ史上2人目の快挙でした。成績は157試合の出場で、打率.350、242安打、56盗塁を記録。首位打者、新人最多安打、盗塁王、シルバースラッガー賞、ゴールドグラブ賞を獲得しました。
木田、野茂、イチローといった伝説的な選手と同じく「MVPと新人王」を同時受賞した村上。パ・リーグのMVPは3年連続で山本由伸(オリックス)が受賞したが、「日本のエース」の山本が来季はメジャーに移籍。山本と同学年の村上が新たな「日本のエース」となれるか、来季の投球に注目していきたいと思います。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。