プロ野球12球団のオーナー会議が22日開かれ、試合時間の短縮に向けて、来季は「打者がアウトになるか、出塁した後に次打者が構えるまで30秒以内を目安とすることを周知する」ことを決めました。

 日本野球機構(NPB)によると、今季、打者が入れ替わる機会は1試合平均55回あり、1回当たり36・9秒要しました。「30秒」に縮めれば、単純計算で試合時間は6分短縮されます。今季の試合時間は平均で3時間7分(延長戦を除く)。6分短くなれば、来季は「3時間1分」となる計算だが、果たしてどうなるでしょうか?

 しかし、それでも「3時間以上」試合時間はかかってしまいます。今季、大リーグでは、ピッチクロック(投球間の時間制限)を導入した結果、試合時間は2時間39分49秒となり、昨季より24分短縮されて「3時間」を切りました。2021年に390試合あった3時間30分以上の試合は、今季9試合だけと激減しました。

 「ピッチクロック」は、投手がボールを受け取ってから、走者なしでは15秒以内、走者ありでは20秒以内に投球動作に入る必要があり、超過するとボールが宣告されるルール。逆に打者も残り8秒までに打席での準備を整えないとストライクが宣告されます。

 「24分短縮」された結果、観客動員数は7074万7365人で、約6456万人だった昨季より9・6%増。1試合平均では2万9295人と、ファンに喜ばれた「ピッチクロック」。

 今季の大リーグ中継を見ていて、プロ野球でも早く導入されることを願っていたが、蓋を開けてみると、来季は「30秒ルール」という罰則のない中途半端な「試合時間短縮措置」。2025年に「ピッチクロック」をプロ野球でも導入するという計画もあるそうだが、例え25年に導入できても「スピード感」が欠けている気がします。また、「もし導入できなかったら」ということも、考えてしまいます。

 一刻も早い「ピッチクロック導入」を、真剣に話し合ってほしいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。