プロ野球の広島からFA宣言していた西川龍馬外野手(28)がオリックスに入団する意思を固めたことが22日わかりました。オリックスの球団関係者が明らかにしたもので、4年総額12億円以上の条件で合意、近日中に発表される見通しです。

 国内FA権を昨季取得した西川は「パ・リーグの野球に興味があった」と、権利を行使し、左打ちの外野手が手薄なオリックスが獲得に乗り出していました。

 1993年オフにFA制度が導入され、今年で30年となります。過去30年で延べ100人が国内FA移籍しているが、獲得が多い球団、逆に流出が多い球団はどこか、まとめてみました。

 獲得が多いのは巨人で、28人。落合博満、清原和博、小笠原道大、丸佳浩ら強打者が中心でした。続いてダイエー・ソフトバンクで、工藤公康、石毛宏典ら16人。3位は阪神の12人で、広島だけがFAで1人も獲得しておらず、「若手を育成する」という球団方針はぶれていません。

 逆に最も流出が多かったのは西武で、清原、工藤、石毛のほか涌井秀章、岸孝之、浅村栄斗ら16人に上っています。続いて日本ハムの12人、オリックスと横浜・DeNAが各10人となっています。

 また、パ・リーグからセ・リーグへの移籍は31人だったのに対し、セ・リーグからパ・リーグへの移籍は13人にとどまっています。

 ドラフト会議では、半世紀前に多く見られた「パ・リーグにはいかない。セ・リーグがいい」は、現在かなり減ってきたが、FA移籍では、現在でも「セ高パ低」は残っているようです。

 その意味で、西川の「セからパへ」は、FAの動向にも変化が出てくる可能性があり、注目されます。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。