アジアプロ野球チャンピオンシップ(APBC)2023の決勝と3位決定戦が19日、東京ドームで行われ、日本代表「侍ジャパン」が延長十回タイブレークの接戦で韓国を4-3で破り、2大会連続のアジアチャンピオンに輝きました。最優秀選手(MVP)には門脇誠(巨人)が選ばれました。3位決定戦は台湾が豪州に4-3でサヨナラ勝利を収めました。

 日本は三回に2点先取され、今大会4試合目で初めてリードを許しました。しかし、五回に牧秀悟(DeNA)の左越え本塁打で1点差に迫ると、六回は一死三塁から佐藤輝明(阪神)の中犠飛で同点に追い着きました。

 試合はこのまま2-2で延長十回に進みました。延長に入ると、無死一、二塁から始まるタイブレークとなり、韓国は十回に1点勝ち越しました。しかし、日本はその裏、代打・古賀悠斗(西武)がバントで送った一死二、三塁から、牧が申告敬遠された満塁で、坂倉将吾(広島)の中犠飛で同点。さらに万波中正(日本ハム)申告敬遠の二死満塁から門脇の左前適時打でサヨナラ勝利。

 今春のWBCでは、大谷翔平(エンゼルス)が投打の二刀流でフル回転し、決勝では同僚のマイク・トラウトを空振り三振に抑えて米国を破り、世界一に輝きました。

 さらに今回のAPBCでは、24歳以下の選手が主体の「侍ジャパン」が、1試合ごとに国際大会の経験を積んで成長し、優勝したことで、日本代表の将来に大きな戦力アップをもたらすことが出来ました。

 2024年の「プレミア12」、26年の「WBC」、28年の「ロス五輪」の日本代表に、今回の若手選手の中から多くの選手が加わっていくと思われるが、そうした「代表の座」をめぐる競争が激しくなれば、「侍ジャパン」の力は今春のチームを上回ることは間違いないでしょう。

 その意味で、今回のAPBCはとても有意義な大会だった気がします。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。