米大リーグ、エンゼルスをフリーエージェント(FA)となった大谷翔平選手について、エンゼルスの独占交渉期間が米東部時間の6日午後5時(日本時間7日午前7時)に終わり、メジャー全30球団との交渉が解禁となりました。
これに対し、エンゼルスは同日、大谷にFA補償制度「クオリファイング・オファー(QO)」を提示したと発表しました。
「QO」は、前所属球団が規定額(年俸上位125選手の平均額)をFA選手に提示して、来季の単年契約を申し入れる制度です。FA選手が「QO」を拒否して移籍が成立した場合、前所属球団は移籍先の球団からドラフト指名権を得られます。
今回の「QO」の規定額は2032万5000㌦(約30億5000万円)。今季の年俸が3000万㌦(約45億円)だった大谷は、「QO」での契約の可能性は低いが、「QO」を拒否しても、エンゼルスと再契約を結ぶことはできます。
また、大谷は同日発表された全米野球記者協会会員の投票による今季の各賞の最終候補3人の中で、ア・リーグの最優秀選手(MVP)最終候補3人に選出されました。44本で本塁打王を獲得し、投手でも10勝を挙げた大谷は、2年ぶり2度目の受賞に向けて大きく前進しました。
ナ・リーグの最優秀新人の候補には、渡米1年目で12勝(7敗)、リーグ2位の防御率2・98、202奪三振をマークした千賀滉大投手(メッツ)が入りました。
一方、プロ野球のFA資格を持つ選手の申請受け付けが6日、始まりました。受け付け期限は14日で、行使した選手は15日に公示され、翌16日から旧所属球団を含む全球団との交渉が解禁されます。
今年の有資格者は106人(国内36人、海外70人)で、このうち今年取得したのは41人(国内21人、海外20人)。
主な選手を見ていくと、2勝3敗39セーブの松井裕樹投手(楽天)は、海外FA権を行使して米大リーグ移籍を目指す意向を球団に伝えています。国内FAでは、3勝5敗33セーブの田口麗斗投手(ヤクルト)、11勝5敗の山崎福也投手(オリックス)、2022年に本塁打王、打点王に輝いた山川穂高内野手(西武)らの動向が注目されます。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。