プロ野球日本シリーズ第5戦は2日、甲子園球場で行われ、阪神が6-2でオリックスに逆転勝利、通算3勝2敗で1985年以来38年ぶり2度目の日本一に王手をかけました。
「地獄から天国へ」を体験したのが阪神のルーキー森下。0-1と1点リードされた七回の守り。二死一塁から森の二塁ゴロを中野が後逸すると、慌ててカバーに入った右翼手の森下は打球が止まってないのに素手で捕りに行って球が手に付かず、一塁走者の生還を許してしまいました。このダブルエラーで、阪神の敗色は濃厚に。
しかし、致命的な失策を挽回するチャンスが八回に訪れました。山崎颯から木浪、代打糸原、近本の3連打で1点差に迫り、なお中野の送りバントで一死二、三塁の絶好機で森下が打席に。ここでオリックスは前夜一死三塁で登板して剛速球で2者連続三振に仕留めた宇田川をマウンドへ送りました。カウント2-2からの7球目、152㌔のボール気味の低めの速球をジャストミート、打球は左中間を破る逆転2点三塁打となりました。
「守備で迷惑をかけたのに、先輩たちが走者を必死に進めてくれたので、何が何でも打ちたかった」。
シリーズ全体を見ても、2戦目までは凡打を繰り返し、岡田監督も「3番打者」から外すかどうか考えた末、シーズン中の粘りある打撃に賭けようと、そのまま3番に固定。それが今季最終戦となる本拠地・甲子園球場での逆転打につながりました。
この一打はシリーズ3戦連続打点となり、新人では1981年の巨人・原以来、史上3人目の快挙となりました。
今日3日は移動日で、第6戦は4日、舞台を京セラドーム大阪に移して行われます。阪神が一気に決めるか、昨年のヤクルトとのシリーズで2敗1分けの劣勢から4連勝で逆転日本一となったオリックスが盛り返すか、注目される一戦となります。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。