プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)は16日、パ・リーグの第3試合がZOZOマリンスタジアムで行われ、レギュラーシーズン2位のロッテが4-3で3位のソフトバンクに逆転サヨナラ勝利、2勝1敗でファイナルステージ進出を決めました。18日からリーグ覇者のオリックスと京セラドーム大阪で日本シリーズへの切符をかけて戦います。

 九回までソフトバンクは4安打、ロッテは3安打で、ともに無得点で推移した「投手戦」。ところが、延長十回に入ると「打撃戦」に一転。まず、ソフトバンクが周東の適時など4安打を集中して3点奪い、「勝負あった」かに見えました。

 しかし、ロッテはその裏、奇跡を起こしました。この回先頭の代打・角中が中前打で出塁すると、続く荻野の内野安打で無死一、二塁の反撃機をつかみました。ここで、レギュラーシーズン本塁打1本の藤岡が初球の真ん中に来た津森の直球を完ぺきに捉えると、打球はロッテファンで白一色に染まる右中間席へ吸い込まれる同点3ランとなりました。

 この一発で、球場の空気は一変。二死一塁から、この試合途中出場の安田が右中間に打球を運ぶと、一塁走者の岡が一気にホームへスライディングし、判定は「セーフ」。微妙なタイミングだったが、ソフトバンクの藤本監督のリクエストは覆らず、ロッテが起死回生のサヨナラ勝利をつかみました。

 ポストシーズンで3点差以上の逆転サヨナラ勝利は、2009年CSで日本ハムが楽天戦の九回裏、4-8から一挙に5点を挙げて以来2度目。延長戦では、史上初の出来事でした。

 さて、ファイナルステージを占うと、レギュラーシーズンの対戦成績はオリックスの15勝8敗2引き分け、特に開催球場の京セラドーム大阪ではオリックスが9勝3敗1引き分けと圧倒しています。アドバンテージの1勝もあるため、オリックスの有利は動かないが、奇跡的な勝利のロッテには勢いがあります。リーグ覇者のオリックスが実力通り勝ち抜くか、乗りに乗っているロッテが勢いのまま勝ち進むか、ファイナルステージの興味は尽きません。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。