プロ野球クライマックスシリーズ(CS)のセ、パのファーストステージ2試合が15日行われ、マツダスタジアムでの広島対DeNA戦では、広島が4-2でDeNAに連勝し、阪神とのファイナルステージ進出を決めました。
1975年10月15日は、広島が球団創立25年目で初のリーグ優勝を決めた日です。このため、始球式を務めたのは、同年に初めて首位打者に輝いた「ミスター赤ヘル」の山本浩二・元監督。懐かしい背番号「8」のユニホーム姿で登場したが、打席には、なんと米大リーグ、カブスの鈴木誠也が私服姿で立ちました。
カブスはポストシーズンに進出できず、鈴木は帰国していたのだが、前日の試合をスタンドで見ていた元広島の主砲は、新井監督から試合開始直前に始球式への参加を頼まれ、即座に快諾したそうです。ベンチの横には元ヤンキースの黒田博樹の姿もあり、広島の「記念日」であり、大一番の前の始球式は「広島のレジェンド勢ぞろい」で大いに盛り上がりました。
この盛り上がりに乗って、広島は一回、西川が今永から右翼席へソロ本塁打を放ち、1点先取。六回にも代打・末包がアーチをかけ、1点追加。七回には同点に追い着かれたが、八回、無死満塁から田中の右前勝ち越し打と秋山の犠飛で2点入れました。九回は栗林が締め、カープファンで真っ赤に染まったマツダスタジアムは、大歓声に包まれました。
これで、せ・リーグのCSファイナルステージは、18日から甲子園球場での阪神対広島戦と決まったが、両チームの今季の対戦成績は阪神の15勝9敗1引き分け。特に甲子園では阪神の9勝2敗1引き分けと、阪神が圧倒しています。ファイナルステージは阪神に1勝のアドバンテージがあり、熱狂的な阪神ファンで埋まる甲子園での戦いであることを考えると、阪神有利と言えます。
しかし、広島は連勝でファーストステージを勝ち上がった勢いと、阪神が今月4日のレギュラーシーズン最終日からファイナルステージまで2週間空いて「試合勘」がやや鈍るという広島有利の面もあります。
いずれにしろ、興味深いファイナルステージになることは間違いないでしょう。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。