米大リーグ、オリオールズの藤浪晋太郎は、現在行われているア・リーグ地区シリーズの選手登録枠から外されたが、メジャー挑戦1年目の藤浪を見ていると、最後まで「アップダウン」の連続だった気がします。
アスレチックス時代は、当初、先発投手としてマウンドを託されたが、制球難で結果を出せず、防御率10点台でリリーフに転向させられました。すると、制球力がややアップし、腕を振って好投するケースが増えました。
この上向きのムードの中の7月19日、その時点でプレーオフ進出が濃厚だったオリオールズへの移籍が決まりました。勝ちムードのチームに溶け込んだのか、160キロ超の速球と鋭く落ちるスプリットを武器に好投を続け、9月中旬まで7試合連続無失点の盤石な投球を見せたこともありました。
この時点では、プレーオフでも貴重な戦力になると思われたが、シーズン終盤には再び不調に陥ってしまいました。9月の最後の4試合での登板のうち、3試合で失点。投球内容も制球難で崩れるケースが見られました。地区シリーズは、最大で5戦、3戦必勝方式の短期決戦のため、調子が下降線だった藤浪を外したのも、頷けます。
オリオールズは8日(日本時間9日)のレンジャーズ戦に敗れ、2連敗になりました。しかし、レギュラーシーズン101勝61敗でア・リーグ最高勝率のチームだけに、3連勝する力は十分あると思います。そうなればリーグ優勝決定シリーズ以降で選手登録枠に入る可能性はあります。
2021年、レッドソックスの沢村拓一(現ロッテ)は、地区シリーズで外れながら、優勝決定シリーズには登録され、3試合で登板した例もあります。もし、藤浪に、沢村と同じようなケースが生じるならば、「ダウン→アップ→ダウン→アップ」で、移籍1年目を気持ちよく締められるのだが、さて、結果はいかにーー。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。