巨人の原辰徳監督(65)は4日、東京ドームで行われた今季最終戦のDeNA戦後のセレモニーで、「(監督を)辞任します。若い新しいリーダー、阿部慎之助君(44)にチームを託そうと。そういう決断をしました」と、ファンに報告しました。
これを受け、巨人の20代目監督となる阿部新監督は「伝統ある巨人軍の最多勝利監督、原監督より大役を受け継ぐことになり、とてつもない重圧を感じ、身の引き締まるところです」と挨拶しました。
阿部新監督は2001年に中央大から巨人に入団し、「打てる捕手」として19年間プレーしました。通算打率2割8分4厘、406本塁打、1285打点。12年には首位打者と打点王の二冠に輝きMVPを受賞、捕手としても4度のゴールデングラブ賞を受賞しました。巨人の監督で捕手出身は初めてです。
1950年に始まった日本シリーズは、74年まで「プロ野球捕手出身の監督が日本一」はゼロでした。しかし、75年に捕手出身の上田利治監督率いる阪急(現オリックス)が日本一になって以来、2022年までの出身ポジション別の日本一の回数を見ていくと、①捕手14回②投手10回③二遊間(二塁手と遊撃手出場試合数が同等で分けられないため)9回④外野手6回⑤三塁手5回⑥一塁手3回ーーと、捕手出身が1位になります。
捕手出身で、一番多いのは森祇晶(西武)の6回で、野村克也(ヤクルト)、上田利治が各3回、伊東勤(西武)、中嶋聡(オリックス)が各1回となります。
西武時代の森監督に、捕手出身監督が日本一のケースが多いことの理由を尋ねた時、次のように説明していました。「野手に守備位置などを指示するので、捕手はフェアゾーン90度を見渡しています。両軍ベンチの監督の動きや采配に対する目配せも欠かせません。こうした視野の広さが、監督になって生きてくると思います」。
巨人は12年以来、日本一から遠ざかっています。捕手出身の阿部新監督の下、「常勝軍団」の復活なるかどうか、見守っていきたいと思います。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。