今季全日程を終了した米大リーグは、3日(日本時間4日)から、両リーグのワイルドカードシリーズが始まります。日本選手では、ツインズの前田健太と、ブルージェイズの菊池雄星が出場し、藤浪晋太郎のオリオールズは7日(同8日)からの地区シリーズに出場します。3選手の活躍を期待する一方、プレーオフに進出できなかった日本選手については、終了したシーズンのプレーを振り返っていきたいと思います。

 エンゼルスの大谷翔平は、投打の二刀流として、投手で10勝5敗、防御率3.14、167奪三振。打者では打率3割4厘、44本塁打、95打点、20盗塁で、日本選手初の本塁打王に輝きました。2度目のア・リーグMVPは確実で、注目点は史上初の「2度目の満票受賞」できるかどうかにかかっています。

 メッツの千賀滉大は、メジャー1年目で、12勝7敗、防御率2.98、202奪三振。日本選手1年目では、2人目の防御率2点台、4人目の200奪三振、8人目の2ケタ勝利の活躍で、「お化けフォーク」を武器に、ナ・リーグの新人王、サイ・ヤング賞の候補に挙がっています。

 レッドソックスの吉田正尚の大リーグ初年度の成績は、ア・リーグ打率5位の2割8分9厘、15本塁打、72打点。7月22日(同23日)のメッツ戦では4打数3安打で打率を3割1分9厘まで上げ、首位打者争いトップに立つほどの巧みな打撃を披露し、新人王候補に挙がっています。

 カブスの鈴木誠也は2年目のシーズンを、打率2割8分5厘、20本塁打、74打点で終了。日本選手右打者として初の20本塁打を達成し、9月には打率3割7分5厘、7本塁打、26打点のいずれも月間自己最高の成績で、プレーオフ進出に向けたチームの中心選手として活躍しました。

 パドレスのダルビッシュ有は、故障もあってシーズン終盤は欠場し、成績は8勝10敗、防御率4.56、141奪三振と、他の日本選手と比べると今ひとつでした。

 こうして見ていくと、今季のメジャー日本選手には、ダルビッシュ有以外は「あっぱれ」を挙げたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。