大リーグもプロ野球も最終盤を迎え、優勝争い、プレーオフ進出争い、個人タイトル争いに注目が集まるが、たまには最下位争いしているチームに焦点を当て、意外な数字を探していくのも面白い趣向だと思います。
大リーグで一番勝ち星が少ないのはアスレチックス。ア・リーグ西地区の5位で50勝111敗。161試合消化で50勝という勝利数にも驚くが、それ以上に悲惨な数字が、7月19日にオリオールズに移籍した藤浪晋太郎が在籍当時に挙げた5勝が、未だに「チーム最多勝」であることです。
藤浪はアスレチックス時代、34試合に登板(7先発)し、5勝8敗3ホールド、防御率8.57で移籍。藤浪と並ぶ5勝(13敗)が、唯一規定投球回に達しているJPシアーズで、3人が4勝で並んでいます。残り1試合で「藤浪超えの投手」が現れるか、注目されます。
プロ野球では、セ・リーグの最下位争いを、2年連続優勝のヤクルトと、昨季最下位の中日が演じています。2019年、20年最下位の後、21年日本一、昨季リーグ優勝のヤクルトは、4番村上宗隆の不調や投手陣の総崩れなどで浮上することなくシーズンを終えようとしているが、「優勝から最下位」は避けたいところです。中日は、2年目の立浪和義監督が最下位を脱出して来季を迎えることができるか、結果が待たれます。
パ・リーグも19年、20年と2年連続最下位に沈んだオリックスが、中嶋智監督が就任した途端、3年連続パ・リーグ優勝を果たしたように、最近のプロ野球は「最下位から優勝」、「優勝から最下位」というケースがよく見られます。
1954年から6年連続最下位だった大洋(現DeNA)を、就任した60年にセ・リーグ初優勝、初の日本一に導いた三原脩監督の采配を称賛して「三原マジック」と呼んだが、今季最下位でも、来季は大躍進の可能性はどのチームにあります。最下位チームのファンは、阪神のファンが何年低迷しても見放さないで、今季優勝したように、熱烈応援を続けていくしかないでしょう。
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1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。