中日の根尾昴は18日、本拠地で行われた広島戦に「9番、投手」で出場しました。投打ともプロでの実積は「ゼロ」に近い選手のため、「投手がいないから根尾が投げるのか」と思っていました。

 しかし、結果は投手では6回3分の2を投げ、4安打、2三振、3四球、4失点(自責点0)。打者では3打数1安打。この数字だけでなく、投げる姿、打つ形が一流のプロとして成長していました。

 というのも、過去4年間の成績は、投手では2022年に25試合の登板で、29投球回で被安打23、被本塁打2、与四球12、与死球3、奪三振22、12失点(自責点11)の防御率3・41。

 打者では4年間で132試合に出場し、234打数40安打、1本塁打、20打点、打率1割7分1厘。

 大阪桐蔭高時代は1年夏からベンチ入りし、2年春から3年夏まで4季連続甲子園出場。そのうち2年夏以外は全国優勝を果したが、根尾は投手、遊撃手、外野手をこなしました。

 ドラフト1位で2018年、中日に入団する時の会見では「遊撃手に専念します」と宣言。しかし、野手としてはなかなか伸びす、昨季の5月21日の広島戦で6番手としてプロ初登板。

 その後、立浪監督と話し合い、22年は投打の二刀流としてプレーし、23年以降は投手に専念することになりました。

 こうした経緯の末、18日のプロ2度目の先発となったのだが、ファームでの練習、実戦経験の結果、見違える選手に大変身していました。

 投手ではコントロールが格段に進歩し、次の先発でも好投すれば、先発投手として使える目処が立つでしょう。

 打者としても、四回の右前打はスイングのスピード、テクニックとも高いレベルの打撃でした。

 セ・リーグは指名打者制度がないため、根尾が「二刀流」を続けるのは難しいが、投打とも一流のレベルでプレーできる選手であると感じました。

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 1984年の王監督の時代から長嶋、原監督の時代まで、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。