米大リーグ、エンゼルスは16日(日本時間17日)、右脇腹を痛めている大谷翔平を15日間の故障者リストに入れ、今季の残り試合を欠場すると発表しました。大谷が故障者リストに入るのは、2018年10月に受けた右肘靭帯修復手術から、打者として復帰した19年5月以来となります。

 会見した球団のミナシアンGMは、故障者リストに入った理由として「右脇腹にまだ炎症が残っているため」と明かしました。「右肘靭帯損傷」については「今後、数日中に何らかの処置を行う」としたが、靱帯を再建する手術を行うかなど具体的な内容については「詳細は分からない」と明言しませんでした。

 残り試合の欠場で、興味が持たれるのは、大谷が44本で終了したア・リーグの本塁打王争いについてです。現状、2位は35本のルイス・ロベルト(ホワイトソックス)、3位は34本のアドリス・ガルシア(レンジャーズ)、4位は昨季の本塁打王で32本のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)とラファエル・ディバース(レッドソックス)。残り試合はレンジャーズが14試合で、他は13試合。

 残り試合と本塁打数の差を考えると、一般的には大谷のタイトル獲得は固いと思えます。しかし、本塁打打者は固め打ちすることが多いことが、不安と言えば不安です。

 例えばメジャーの連続試合本塁打の記録は8試合で、1956年のデール・ロング(パイレーツ)、87年のドン・マッティングリー(ヤンキース)、93年のケン・グリフィーJr(マリナーズ)が記録しています。ロベルトが8試合連続本塁打をマークすると、大谷との差は1本になります。

 また、今世紀に入って、本塁打1本あたりの打数が最も少なかったのは、2001年に大リーグ記録の73本を打ったバリー・ボンズの「6・5打数に1本」。ロベルトの残り試合は13のため、「1試合4打数」という平均的な数字で計算すると・「4×13」=52打数で、「52÷6・5」で計算すると、8本になります。こちらも1本差となります。

 大谷がもう自力で本塁打数を増やせないだけに、「初の日本選手の本塁打王」は祈るしかありません。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。