米大リーグ、カブスの鈴木誠也は12日(日本時間13日)、敵地でのロッキーズ戦に「6番、右翼手」で出場し、先制適時打、同点2ランなど4打数3安打3打点と、「神ってる」打撃を披露しました。

 二回、無死三塁で第1打席に立った鈴木は、先発フレクセンの5球目の速球を振り抜き、先制中前適時打。四回の第2打席も中前打で早々とマルチ安打をマークしました。

 2-4と2点リードされた六回は一死一塁から、代わったばかりの2番手バードの高めのシンカーを捉えると、打球速度164・6キロ、飛距離115メートルの打球が右翼席に達し、7試合ぶりとなる17号同点2ランとなりました。これで今季9度目の3安打を記録。八回の第4打席は中飛に終わりました。試合は4-6で敗れたが、鈴木の9月の打撃は、13試合で51打数21安打、4本塁打、14打点、打率4割1分2厘。広島時代に言われた「神ってる」時の再現のように映ります。

 広島時代の鈴木は、2016年6月17日、18日のオリックス戦で、連日のサヨナラ本塁打を打ち、プロ野球史上10人目、球団史上32年ぶりの偉業を成し遂げました。その活躍に、広島の緒方孝市監督が「神ってる」と発言。その年の「流行語大賞」にもノミネートされ、年間大賞を受賞しました。受賞者は発言者である緒方監督ではなく、鈴木でした。

 メッツの千賀滉大の「お化けフォーク」を、ニューヨークのメディアは「ghost fork(ゴーストフォーク)」と称しています。鈴木の活躍が続き、カブスがナ・リーグ中地区の優勝、あるいはワイルドカード争いで3位以内に入ってプレーオフに進出すれば、「神ってる」の英語表記も出てくるのでは、と今から期待しています。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。