野球の第31回U-18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)は10日、台北で決勝が行われ、高校日本代表がチャイニーズタイペイ(台湾)を2-1で破り、高校日本代表として初めて出場した第21回大会(2004年)以降、8回目の出場で悲願を達成しました。

 今大会は12チームが参加。日本は1次リーグB組を4勝1敗で2位通過し、2次リーグは台湾には敗れたが、韓国、プエルトリコに勝ち、決勝に進みました。3位決定戦は、韓国が前回優勝の米国に4-0で快勝。最優秀選手(MVP)には、大会通算打率5割4分2厘をマークした緒方蓮(横浜)が選ばれました。

 初回に1点の先制を許した日本は四回、この回先頭で、MVPの緒方が四球を選ぶと、バントと丸田湊斗(慶応)のバント安打で一死一、三塁の好機を迎えました。ここで高中一樹(聖光学院)が三塁前にスクイズを敢行。相手三塁手がこれを一塁に悪送球し、一塁走者の丸田も生還して2-1と逆転に成功しました。

 先発の前田悠伍(大阪桐蔭)は、一回一死三塁から中前適時打を打たれて1点先制されたが、二回以降は丁寧な投球と気迫の投球を使い分けて1点のリードを守り切り、92球の完投勝利を飾りました。

 04年以降、8回の大会では、04年はダルビッシュ有(東北、現パドレス)が出場して準優勝。12年は大谷翔平(花巻東、現エンゼルス)を擁して6位。13年は準優勝、15年は初の日本開催だったが、3連覇を狙う米国に敗れて準優勝、17年は3位、19年は5位、22年は3位で、初めて世界一を成し遂げました。

 日本は、野球のトップチームの3大大会である「WBC」、「プレミア12」、「オリンピック」のすべてで優勝した唯一の国で、「U-23」、「U-15」でも優勝経験があります。後は「U-18」と「U-12」だったが、今回の「U-18」の優勝で、あとは準優勝経験のある「U‐12」だけとなりました。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。