巨人ー中日戦が10日、東京ドームで行われ、巨人が坂本勇人の先制18号ソロ本塁打で先制して主導権を握り、中日に2-1で競り勝ち3連勝。

 巨人は二回、この回先頭の坂本が打席に立ち、フルカウントから中日の先発・柳の8球目の真ん中高めに来た146キロの速球をジャストミート。打球は左翼席に飛び込み、現役選手4位の通算284本目の本塁打となりました。遊撃手から三塁手に転向して4試合目で2本目のアーチ。打率は14打数6安打の4割2分9厘のハイアベレージを残しています。

 まだ転向後4試合で、結論を出すのは早いが、一般論として遊撃手より三塁手の方が運動量は少なく、身体の負担は三塁手の方が少ないと言われます。遊撃手はその名の通り、どこにでも動き回るポジションであるのに対し、三塁手は三塁ベースを空けるシーンがほとんどないからです。この負担の軽減が打撃にもプラスに働いていると見られます。

 坂本は、高卒1年目の2007年こそは4試合の出場だったが、2年目には144試合に出場して8本塁打を含む134安打をマーク。その後も「100試合、100安打」を14年連続続けました。通算では2084試合出場、2306安打を記録しています。

 年齢は34歳で、今年12月に35歳になります。まだまだ衰えるのは早いと思うが、高卒2年目の19歳からずっと試合に出ているだけに、年齢以上に疲労が蓄積されてしまうのも無理はないと思います。このため、選手寿命を伸ばすには、三塁への転向がいいタイミングだったと思います。

 5月30日のロッテ戦で、プロ野球史上初となる遊撃手での通算2000試合出場を達成した坂本。2位が鳥谷敬(阪神、ロッテ)の1777試合なのを考えると、坂本の数字の凄さが認められます。「坂本遊撃手」をまだ見たいファンも多くいる半面、「坂本三塁手」として、より長くグラウンドに立つ姿を、坂本の1年目から取材した記者としては見ていきたいと思います。

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 1984年の王監督の時から藤田、長嶋、原監督の時代まで20年以上、巨人を担当した某新聞社運動部元記者。